「ああっ!また飛んでいった!」 「なんでカーブで曲がりきれないんだろう…」
放課後のODENには、今日も子どもたちの悔しそうな、でもどこか楽しげな声が響いています。彼らの視線の先にあるのは、猛スピードでコースを駆け抜ける「ミニ四駆」。
進路就労準備型の放課後等デイサービスであるODENの最大のテーマは、「全力で遊ぶ」こと。このミニ四駆プロジェクトには、子どもたちが夢中になって遊びながら、将来社会で生き抜くための大切なエッセンスがぎっしりと詰まっています。
■ 欲しいものは、自分の「得意」で手に入れる
ODENのミニ四駆は、最初から用意されているものではありません。
子どもたちは、ODENの中でさまざまな仕事に取り組み、事業所内通貨「DEN」を貯めます。
CD制作のお手伝いをする子。
夏祭りのポスターを作る子。
みんなが楽しめるクイズを考える子。
ボードゲームのアイデアを出す子。
プロジェクトを企画する子や、カメラマン、新聞記者、小道具づくりを担当する子もいます。
絵を描くことが得意な子もいれば、面白いことを考えるのが得意な子、細かな作業に集中できる子、人の話を聞いて文章にまとめることが得意な子もいます。
一人ひとりの「好き」や「得意」を、誰かの役に立つ仕事へ。
そうして自分で稼いだDENを使って、ミニ四駆や改造パーツを購入します。
時間をかけて貯めたDENで手に入れた一台だからこそ、箱を開ける瞬間の表情はどこか誇らしげです。
■ 自分の手で作り上げる喜びと、立ちはだかる「壁」
コツコツ稼いだDENを握りしめ、念願のキットや改造パーツを手に入れた時の子どもたちの顔は、達成感でキラキラと輝いています。最初は、説明書とにらめっこしながら自分の手で組み立て、コースを走らせるだけで大満足。
しかし、何度も走らせているうちに、彼らの中に一つの欲が生まれます。
「もっと、速く走らせたい」
手っ取り早くスピードを上げるため、強力なモーターに付け替えてみる。いざコースへ!……ところが、今度はスピードが出すぎてしまい、カーブを曲がりきれずに無残にもコースアウトしてしまいます。
■ 失敗は、考える力のスイッチ
ここからが、ODENが一番大切にしている時間の始まりです。
ただ走らせて遊ぶだけでなく、「なぜコースアウトしてしまったのか」「どうすれば、猛スピードのままコースを走り切れるのか」を、彼らは自分の頭で考え始めます。
原因を調べ、パーツの重さやローラーの角度を調整し、もう一度走らせてみる。そして結果を観察し、また次の作戦を練る。 この「失敗と検証のサイクル」こそが、社会に出てからどんな仕事に就いても必ず求められる「課題解決能力」そのものです。
■ 競うのは、昨日の自分
もちろん、レースとなれば友達との勝負の面白さもあります。しかし、私たちが子どもたちに本当に味わってほしいのは、「うまくいかなかった原因を見つけ、工夫し、前回の自分より一歩先へ進めた」という、自分を乗り越える喜びです。
失敗しては悩み、試しては改良する。その過程にある悔しさも、ひらめきも、すべてが彼らの財産になります。
「全力で遊ぶ」ことの先にある、未来を生き抜く力。 ODENの1日は、今日も小さな挑戦と大きな成長であふれています。見学や体験で、この熱気あふれる空間をぜひ一度体感しにいらしてください。
